アイドルとソロパート〜アイドルの魅力を引き出すソロパートに出逢いたい
アルバム総評から間髪入れずこの話題を。
グループとして活動するアイドルを応援している方ならまず避けては通ることが出来ない『ソロパート』という概念。
新曲が発表された際、どんな曲なのか、どんな振り付けか、どんな衣装か、どんなジャケ写なのか…。新曲という新たなパフォーマンスの供給自体に対する喜びと同時に、様々なことについて気になり思いを馳せ、期待や不安を抱く。
その中でもやはり大きな部分を占めるのは自分の推しや担当がどういった役どころを与えられるのか、なのではないかと思います。
MVやジャケ写における立ち位置、与えられた歌唱パート、特に大人数グループになるほど重要な見せ場となってくる『ソロパート』がどこにどれだけあるのか。
今回そんな誰しも持っているであろう『ソロパート』への思うところについて、文章に起こしてみようかと思います。
以下注意書きを少々。
あくまで主観的であり個人的な考えとなります。
好きで応援したい気持ちがあるアイドルグループはたくさんあります。しかし、私はここをファンとオタクの境目かと勝手に思っているのですが、ある一線を越えて泥沼にハマり明らかに他と違う熱量を持つことになったグループはそこまで多くありません。
今まででその一線を越え虜となったアイドルグループは以下です。
○モーニング娘。プラチナ期~カラフル期
○Berryz工房
○Buono!
○Hey!Say!JUMP
皆さん色々な線引きがあるかと思いますが、私の場合は楽曲とメンバーの歌声が決め手になることが多いです(細かく言い出すとグループ内の関係や雰囲気、個々のメンバーの個性や背景、アイドルという職業への向き合い方などなどもつい重視してしまうポイントです…)。
歌声が好みなメンバーが多く存在し、尚且つ楽曲自体にも惚れ込んでいる故、必然的に所謂“箱推し”にかなり近い状態になりますし、推しがフィーチャーされるのは当然嬉しいですがそこにそれほど比重は置いていません。推されていたらラッキー☆程度です。
自分の推しであろうと、本人に然るべきソロパートが与えられていて、そのソロパートを確実に本人のものとして印象あるパフォーマンスをしてくれるならば、パートの量自体は気にしませんし、ソロパートが長ければ長いほど良いという考えも持っていません。納得のいかない干されはさすがに良くは思えませんが…。
つまり何が言いたいかというと、クソDDアイドル楽曲厨である私の一個人としての考えは、アイドルの『ソロパート』は量じゃないぞということです。考えが合わず不快に思われたらすみません申し訳ありませんがお引き返しを…。
前置きが長くなりました。
冒頭で提示した『ソロパート』について書いていきます。
まず自分が『ソロパート』について考察する際特に注目するポイントをいくつか。
・楽曲のどこにあるか
テレビ番組やコンサート等でやむなくFULLで披露できない際削られる箇所か否かは重要に思いますね。あとは単純にAメロかBメロかサビの直前かサビの一部か落ちサビかなど。
・フレーズと長さ
一曲通して聴いた際印象に残る歌詞かどうか。繰り返し出てくる言葉など残りやすい。パートの長さが適切かも気になります。
・含まれる音
単調なのか高低を含むのかって大事。
・誰が任せられているか
歌詞や音楽とそのメンバーとの化学反応が起きているか。然るべき技術を持つ人に与えられているか。
・その人の魅力を引き出すか
ひとつ前と似てますがメンバーの歌声における個性と楽曲が掛け算や何乗にもできるんだ!と気づかせてくれるか。そのパートを聴いてよりそのメンバーが好きになる現象を起こせるのか。
このあたりですかね。で、メンバーの魅力だのなんだのうるさく書きましたが、そのソロパートを歌うメンバーというのがとても重要になってきます。
楽曲厨だと言いましたが、それと同じくメンバーの歌声も私がアイドルについてなんやかんや言うのに外せない要素です。
基本歌を歌う職業にある人は、歌が上手であることが重要です。歌を一番の軸としてパフォーマンスし人々を魅了するのだから当然と言えば当然なのですが、実は歌が得意でなくても良い職業があります。それがアイドルです。
勿論グループ全員歌が不得意なんてことになると大変だし、上手に越したことはないのですが、絶対に必要な条件ではありません。
むしろどちらかというと歌の上手い下手よりも、楽曲で存在感を発揮できる歌声を持っていることの方がアイドルとしては重要かもしれません。歌が得意でなくとも楽曲での役割含むプロデュースに恵まれ、求められるものを提供できれば、歌でどんと印象を残してきたアイドルは多くいます。ただ歌唱力をつければいいというわけではなく、メンバーの持つ魅力を生かすパートと出会うことが大切です。
そこでどういったパートにどのメンバーが合うのか。これを考えていきます。
生まれ持った歌声と歌唱技術、それから表現力もかな。アイドルは自身のこれらの力に頼って歌っていて、頼る比率はそれぞれ異なります。
そこで歌唱面において、勝手ながらハロメンとJUMPを例にしてタイプ別に分けながら述べていきたいと思います(ハロメンは人数が多すぎるので自分の好きな歌声二人まで選抜しました)。
①主軸、ベース、歌唱力強
(鈴木愛理・夏焼雅・薮宏太・山田涼介)
頼りにしてます!歌うまメン。土台もハモリもシャウトもこなす。楽曲全体でここぞという一番の見せ場をソロで任せられることが多い。どの曲聴いてもだいたいずっといて、常に歌割は多め。
このタイプはどこ歌わせても安心だし、技術も声量もあるので曲中音程がとりにくい箇所なんかでもバシッと決めてくれる。
もともと上手だったがさらに技術を磨き、もはや他のアイドルの頭ひとつもふたつも抜けてしまう強者も。コンサートなどではCD音源以上のものをほぼ確実に提供してくれる。最近だとソラねえ愛理の「忘れないで」やDear.やぶやまのハモリなんかが凄まじかったです。
少し小言を言わせてもらうと、最近のシングルなどでの薮くんのソロパート、もっと彼に適切な箇所を与えて欲しいです。あれでは薮くんがどれほど歌が上手く、支柱となっているのか新規に伝わりづらいです(実際私も先日参加したDEARコンで初めて生歌を聴き薮くんの歌唱力への認識を改めました)。
②安定、器用さ
(亀井絵里・嗣永桃子・八乙女光・有岡大貴・知念侑李)
グループ1の歌うまというわけではないが、技術を以てして器用にどんなパートも歌い上げるのでAメロBメロのみならず落ちサビ、短音での威力も凄まじいのでrapなんかまでも任されがち。
生まれ持った声質に恵まれる人が多く、さらっとかっこよくお洒落に歌いこなすイメージ。曲や場面によって顔を変えることが非常にうまいので、アルバムを通して聴いたりジャンルの異なる曲を続けて聴くとギャップに苦しむことになる。
①よりも歌割自体は少ないが、ベースであるというより楽曲に花を添える役割を任されるので曲中目立つ量は①より多いことも。
曲を自分のものにすることに兎に角長ける。ミュージカル調を感じたり、なんだかちょっとちがうぞ?と耳にとまりやすい。雰囲気がモロにでるので、曲によっては出だしで使われると効果抜群だったりする。
自分だけの歌い方をし、良い意味で楽曲中浮いている。ソロで一曲歌い上げても飽きずに聴くことが出来るので、どんなに単調で長いパートでも任せられる。世界観を作り上げるためにある程度のフレーズの長さがあることが理想。
技術やお洒落さというより、聴かせる、感じさせる、心に訴える力が凄い。スピード感ある曲よりもバラード等で本領を発揮しがち。CDを聴くだけではわからないが、歌っている際の表情や様子で引き込む力もずば抜けている。
④層、高低差に魅力有
(佐藤優樹・山木梨沙・中島裕翔・岡本圭人)
極論言うと技術を度外視して、「あー」と低い音から高い音まで出し続けるだけでも魅力ある歌声。
専門家ではないのでうまいこと言えないのだが、歌声に層を感じるというか、安定してないことが逆に魅力的というか...。音の高いところと低いところで違った印象を受ける歌声なので、高低さを含むパートなんかを与えるとただ歌うだけで耳に残りやすいし様になって、しゃくりなんかがとても似合う。
③のように単調であるパートより、ある程度の長さで且つ音域広めなパートで活きる。あまり単調すぎると個性を殺してしまい、印象に残りづらくなってしまう。①とはちがったのびやかさもあり、爽やかで耳なじみが良い。山木さんのアディクション、裕翔りんのShall we dance? My Honeyが好き。あとカーニバルコンのセブンコーナーソロの裕翔りんと圭人是非聴いて欲しいです。
⑤一箇所集中型、飛び道具
(道重さゆみ・徳永千奈美・伊野尾慧)
はいでた私が愛してやまないこのタイプ。まあオブラートに包んでもこの手のタイプは歌が得意とは言い難い。歌声が可愛いというだけで戦えるんだぞ、と世の歌が伸びず悩んでいるアイドルのたまごたちに希望を与えてくれる素晴らしい人たち。
この人たちをどう活かすか、活かせるのか、プロデューサーの腕にかかっていると思われる。
多くのソロパートは任せられないとなると、やはり与えられるソロパートの場所やインパクトあるフレーズかどうかが重要になってくる。そして凄いのが、ここがうまいことあたると、歌唱パートがほんの一瞬であろうとも、爆発的な一撃となり楽曲全体の印象を独り占めすることが可能であるということだ。アイドルにおいて歌声が可愛いって物凄い武器。むしろその威力を如何なく発揮するために、ここぞという時にだけこの歌声を使って欲しい。吹奏楽でいうシンバル等の打楽器のイメージ。
ちなみに、ハロのこの点のプロデュースにおいては信頼しかしていない。さゆの叫びやセリフ、千奈美ののにゅが本当に可愛いし、ときどきフィーチャーした曲を作ってくれるところも大好き。⑤のタイプを軸に曲を作ると、とんでもなく可愛らしい仕様になり中毒性も高くなるので、普段バキバキに決めるグループであればある程グループ全体のギャップまでも生み出せるし、パフォーマンスの幅が広くなる。
伊野尾さんについては、私が落ちる決め手となったChau#のポップでハッピーなふたり商法が酷かった。一曲の間に3回もそのフレーズを歌わされてるしなんなら「ポップでハッピーなふたり」しかソロで歌ってないし「ポップでハッピーなふたり」は伊野尾さんにしかソロで歌われてないし最早“伊野尾慧=ポップでハッピーなふたり”だし実際強烈に印象付いたし伊野尾慧を以てしての罪深い戦術だったなと思うよ…。そして最近は使われすぎな気が…。需要と供給の調節も勿論必要だけど、ただでさえ9人もいるんだから折角のスパイスを活かしつつ魅力を広げていって欲しいです。
⑤について熱く語りすぎました。私が思うアイドルと『ソロパート』はこんな感じです。これからも恋に落ちるアイドルのソロパートにたくさん出逢っていきたいものです。
最後にパートの采配が好きな楽曲を少し紹介して終わります。
気まぐれプリンセス(モーニング娘。)
What is LOVE?(モーニング娘。’14)
友情 純情 oh 青春、ヒロインになろうか、すっちゃかめっちゃか~(Berryz工房)
Independent Girl~独立女子であるために 、ロックの聖地(Buono!)
Chau#、KISS Diary (Hey!Say!JUMP)